DSP2000-71 / SST2000-30 ノイズ位置情報を用いた方向性差分フィルタの拡張

概要

論文の詳細を見る
本稿では付加したインパルス性ノイズの画像上における位置を把握し, その位置情報をもとにノイズの除去を行う新たな手法を提案する.インパルス性ノイズの位置情報(位置画像)は既に提案されているPSMフィルタの検知器によって得られるものであるが, 本稿ではそれを用いたノイズ除去処理を再帰的に行うことでさらなるノイズ除去性能の向上を試みる.また, 提案手法は画像信号の方向性(信号パターン)を考慮してノイズ除去処理を行う方向性差分フィルタに基づいて構成されていることから, 画像のエッジ部や細部の信号保存に有効である.そして, 本稿では処理窓内のすべての劣化画素を排除した後, 改めて処理点を処理する方法(予測)についても述べ, その手法が従来のPSMフィルタや方向性差分フィルタに対して有用に動作することを検証する.本稿では, まず, 再帰的処理の適用によるPSMフィルタとPSHフィルタの性能の向上について検討し, 次に処理窓内のすべての信号情報が得られたときの処理点推定精度について検討する.さらに, 本稿ではそれらの諸特性に基づいた新たな方向性差分フィルタを提案し, 処理例を通じてその有効性を明らかにする.
社団法人電子情報通信学会の論文
2000-07-17