高配向Al電極によるGHz帯SAWフィルタの検討

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移動体通信機器は近年、急速に需要が増大し、小型化、高性能化、高機能化が進んでおり、その機器に多用される弾性表面波(SAW)デバイスにおいても、小型化、低損失化、低コスト化が要求されている。特に、誘電体フィルタから置き換わりつつあるRF帯のSAWフィルタは、携帯電話や衛星電話などに代表されるGHz領域の需要拡大(高周波化)の関係もあって、それら特徴に加え、高耐電力化が必要とされている。SAWフィルタの耐電力性向上には、そのAl電極の構成や構造が重要で、設計及び材料の両面からの改善が数多くの機関で行われているが、とりわけ電極膜の膜質改善による効果が注目されている。我々は、Al電極の膜質改善として、イオンビームスパッタ法により、基板の種類に関係なく、[111] 方位に成長させられる高配向Al膜成膜法を見出し、このAl膜を用いたSAWフィルタの耐電力寿命が、従来の蒸着多結晶Al電極のものに比べ、3,000倍以上の長寿命を有することを以前に報告した(1)。図1は、高配向Al膜と従来の蒸着多結晶Al膜とを比較した模式図である。今回、この高配向Al電極膜を用いたGHz帯のSAW、フィルタを試作し、そのフィルタに関連して、耐電力寿命の基板材料依存性及び周波数依存性を検討した。
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06

高配向Al電極によるGHz帯SAWフィルタの検討

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