完全再構成2-CH直線位相IIRフィルタバンクによる画像のウェーブレット変換符号化性能

概要

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画像情報圧縮符号化において, 完全再構成(PR)2チャンネルフィルタバンクを利用したウェーブレット変換符号化は, 主要な符号化技術の1つである. このときフィルタバンクの分析側・合成側の各ローパスフィルタH_0(z)とG_0(z), およびハイパスフィル夕 H_1(z)とG_1(z) が直線位相を有することと, 電力相補条件 |H_0(e^<jω>)|^2+|H_1(e^<jω>)|^2=1を完全にまたは近似的に満たすことが望ましいと思われる. 従来上記の2条件を共に満足する PR 2 チャンネル IIR フィルタバンクが見られなかったが, 我々は先にこれらの条件を共に満足する IIR フィルタバンクの設計法の提案を行った[1]. これは分析・合成の各フィルタが直線位相を有し, 電力相補条件を近似的に満たしている. この事は分析側ローパスとハイパスの両フィルタ総合の振幅周波数特性が全周波数領域で1であり, それぞれほぼ等しい振幅周波数特性を有することを意味している. 本稿は直線位相と電力相補条件が画像符号化にどの程度影響を与えるかをテスト画像を用い実験した結果を報告する.
社団法人電子情報通信学会の論文
1997-03-06