誤り修正型記憶学習
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概要
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誤差逆伝搬法(BP法)を用いた階層型ニューラルネットワークの学習では,学習が進み過ぎると,標本点以外の出力の誤差がかえって大きくなる現象が起きる.過学習と呼ばれているこの現象は,BP法が標本点のみの出力を考慮した記憶学習の評価基準による学習であり,本来の目的である標本点以外の出力に対する配慮がなされていないことに起因するのである.これを小川,山崎は,記憶学習の評価基準が汎化という別の評価基準の代替として用いられていると解釈することにより説明した.そして,ある評価基準J'が本来の評価基準Jの代替になりうるかどうかを評価するために,本来の評価基準Jの代替評価基準J'に対する許容性の概念が導入された.平林,小川は,訓練データに雑音が存在する場合に,射影学習が記憶学習を許容するための必要十分条件を求めた.しかしそこでは,射影学習が訓練データに含まれる雑音を考慮しているにも関わらず,記憶学習ではそれが考慮されていなかった.即ち,射影学習と記憶学習の間には,雑音の取り扱い方に整合がとれていなかった.もしこの整合がとれれば,許容性の条件もより簡潔なものになることが予想される.そこで本稿では,記憶学習として,教えられたとおりに答えるのではなく真の値にできるだけ近い値を出力するような学習を考えることにする.この学習を誤り修正型記憶学習とよび,その一般形を求めると共に,誤り修正機構を明らかにする.許容性の問題は別の機会に論じることにする.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1996-03-11
著者
-
平林 晃
山口大学工学部
-
小川 英光
東京工業大学大学院情報理工学研究科計算工学専攻
-
小川 英光
東京工業大学工学部情報工学科
-
平林 晃
東京工業大学大学院情報理工学研究科
-
中島 朗子
東京工業大学大学院 情報理工学研究科 計算工学専攻
-
中島 朗子
東京工業大学 大学院 情報理工学研究科 計算工学
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