DES-MACの最良線形表現探索アルゴリズム : ANSI X9.9の安全性評価に向けて

概要

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我々は、現在銀行間のデータ確認等に使用されているANSI X9.9(以下DES-MACと呼ぶ)の安全性評価を行なっている。すでに文献[1]において、線形解読法[2]がDES-MACに適用可能なことを示し、その実験を行なった。文献[2]では、n段の線形近似式として、(n-2)段の線形近似式にF関数を組み込んだものを用い、解読効率を上げている。しかし、研究[1]においては(n-1)段の線形近似式に1つのF関数を組み込んだ攻撃しか実現できず、(n-2)段の線形近似式を用いた攻撃が、DES-MACにも適用可能かどうかは未解決問題であった。これはDES-MACに対する線形解読においては、暗号文の一部の情報しか知ることができず、一意復号化が行えないことから第n段のF関数の出力F_n(X_n,K_n)の値を得ることができないためである。DES-MACにおいて、(n-2)段攻撃が可能であるか否か、可能である場合には、その限界を明らかにすることはDES-MACの安全性評価のためには不可欠な問題である。今回はF_n(X_n,K_n)そのものの値がわからなくとも、この値のマスク値を決定することができることを説明し、DES-MACに対する(n-2)段攻撃が可能であることを報告する。
社団法人電子情報通信学会の論文
1996-03-11