双方向型神経回路モデルを用いた運動制御と感覚受容の統合モデル
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概要
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さまざまな分野の報告によると, 生体における神経情報処理系には運動神経系と感覚神経系の二つがあり, これらが有機的に結合して運動や認識などの種々の活動を行っていると考えられる. 従来, 随意的動作の実現については生体運動制御の問題としての報告例があるが, これに対応する感覚情報処理である軌道認識問題の報告はないようである. そこで, 両者が入出力間で恒等変換を行うという共通点に着目し, 運動制御のモデル(左逆システム)を等価変換することで感覚受容のモデル(右逆モデル)を導出し, 更にこれらを統合した感覚運動系のモデルを構築した. この統合モデルに正弦波状のパターンを学習させる計算機シミュレーションを行った結果, 運動系で目標軌道から運動出力を生成する際に, 感覚系を援用していることが確認できた. またその逆の効果の可能性も認められた. 更に, このような感覚運動系の協同的動作によって, 未学習情報に対しても適応的に応答していることが判明した. これらに類似した現象は, 我々の日常生活においても発話あるいは聴取の際などにも認められ得るものであり, 感覚系と運動系の相互作用の効果およびその重要性の一端を明らかにした.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 1997-07-25
著者
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