低ビットレート音楽符号化技術によるネットワーク放送システム(音声情報処理 : 現状と将来技術論文特集)
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概要
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LANやインターネットなどの伝送帯域を保証しないベストエフォート型ネットワークでの使用を前提に, ハイファイ音楽と映像をリアルタイムに発信・配信できるネットワーク放送システムVQVisionを開発した.音楽の圧縮伝送処理に, ISO/IEC MPEG-4/Audio国際標準に提案し採用された低ビットレート音楽符号化技術TwinVQを開発して導入し, 音楽の品質をほとんど劣化させることなく, 伝送データ量を原音の約1/18〜1/88に削減して, 音の途切れがないストリーミング配信を実現できた.また, 新たに開発したマルチスレッド化高速エンコーダ処理技術によって音楽エンコーダの高速化を達成したと同時に, 音声データパケットに同期して受信映像の再生を行う自己同期手法を考案し搭載した.これらの特長によって, ステレオCD帯域までのハイファイ音楽と映像のマルチキャストライブ放送やスケジュール放送を, 専用エンコーダなどのハードウェアなしに, 本ソフトウェアだけで行えるようにした.このネットワーク放送システムの性能を評価した結果, マルチスレッド化によって1.5倍から2倍に迫るエンコーダの高速化を図ることができ, クロック周波数300MHz動作のデュアルCPUを使用すれば, CD帯域ステレオによるライブ放送であっても, 圧縮符号化処理とサーバへの発信を同時にリアタイムで実行できる高い性能が得られることがわかった.また, 512kbit/sのネットワーク帯域で, 原音に近い品質のCD帯域ステレオ音声と秒間15フレームの映像からなるネットワーク放送を, 発信時点から約0.7秒と小さい遅延時間で途切れなく受信できることがわかった.更に, 受信開始から24時間後においても, 音声と映像の再生タイミングを, ぴったり一致させることができた.
- 社団法人電子情報通信学会の論文
- 2000-11-25
著者
-
金子 孝夫
日本電信電話株式会社nttサイバースペース研究所
-
金子 孝夫
Nttサイバースペース研究所
-
守谷 健弘
日本電信電話株式会社nttサイバースペース研究所
-
三樹 聡
NTTサイバーソリューション研究所
-
守谷 健弘
NTTサイバースペース研究所
-
岩上 直樹
NTTサイバースペース研究所
-
岩上 直樹
NTT研究所
-
三樹 聡
Nttサイバースペース研究所
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