照射角に制限のある超音波逆散乱CT(アコースティックイメージ)

概要

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透過型観測を前提とした超音波逆散乱CT法は、組織の音速や減衰に関する定量的な画像情報が取得でき、乳がん診断等への応用が期待される。しかし、リングアレイ送受信システムのような大規模で高価な装置が必要になることが、CTシステムの実現に当っての障害になる。これに対して、本研究では物体の正方形周囲上に、実現が容易なリニアアレイを配置する逆散乱CT装置を提示する。その際、機械走査が不要になるように、リニアアレイの電子走査によって照射角の異なる散乱情報を取得するが、電子走査が可能な照射角度範囲は制限される。そこで、本研究では低周波領域を含めた広帯域の散乱情報を利用する照射角/周波数ハイブリッド拡散方式を導入する。そして、数値差分法による厳密計算によって合成した正方形物体からの散乱波に基づいて、提案手法の評価試験を行った。その結果、照射角が極端に狭い範囲に制限されても、物体形状や定量再現精度の面で、おおよそ実用性能を満足する逆散乱音速画像が再現できることを検証した。
社団法人電子情報通信学会の論文
2003-10-16