擬似シンプレクス法併用型パラメータフリー遺伝的アルゴリズム(人工知能、認知科学)

概要

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パラメータフリー遺伝的アルゴリズム(PfGA)は,遺伝的アルゴリズムの課題とされていたパラメータ設定の困難さを回避する新しい手法として注目されている.しかし,その一方で遺伝子の変化としてはランダムな多点交叉と突然変異のみを用いているため,進化速度に限界も有している.一方,遺伝子の変化手法としてはこれまでにも様々な方法が試みられ,その中にはパラメータの設定がないかまたはほとんど不要なものもありPfGAとの相乗効果が期待できる.本論文では,遺伝的アルゴリズムの有効な高速化手法として知られる擬似シンプレクス法を用いて最適解の探索能力向上を図った,擬似シンプレクス法併用型パラメータフリー遺伝的アルゴリズムを提案する.提案アルゴリズムは,PfGAにおける子個体を生成する過程,及び局所集団から親個体を抽出する前段階に擬似シンプレクス法を取り入れ,局所集団の進化速度を速めている.提案アルゴリズムを関数最適化問題について比較したところ,様々なタイプの関数において通常のPfGAの性能を大幅に向上することが確認され,その有用性が実証された.
社団法人電子情報通信学会の論文
2004-06-01