96. ウサギ赤血球ゴースト膜の膜内粒子とSH基
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概要
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近年, 電顕下に機能原子団を検出し, 生体膜を構成する諸要素との関連が追求されている。今回, 我々は, 正常ウサギ赤血球ゴースト膜を用いて, フリーズ・エッチング(FE)法でみられる膜内粒子の凝集状態と, SH基との関連を検討した。Dodgeら(1963)の方法で溶血させたウサギ赤血球ゴーストをElgsaeterら(1974)の報告した条件で処理し, FE法により膜内粒子の凝集を確かめた。未固定あるいは種々の条件で固定した凝集試料にFast Blue BBN法, 時に塩化第二水銀法を用いてSH基を検出した。時に, 凝集曲に反応を行なった。後固定をO_SO_4により行なったのちエポン包埋し, 超薄切片を観察した。なお, 反応した試料もFE法で観察した。膜内粒子を凝集させたゴーストでは, 対照に比べてSH基は不均一に分布し, 密に存在する部位と全く検出されない部位がみられた。このことはSH基が膜内粒子に一致して存在することを強く示唆し, 膜内粒子の少なくとも一部が蛋白質分子である可能性を高めるものと思われる。さらに, ゴーストより, 膜内粒子を全く欠如した空胞状膜成分を作成し, SH基について検討を行なっている。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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