27. クロトンアルデヒドフクシンの染色性
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概要
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Gomoriのアルデヒドフクシン(AF)染色は, 塩基性フクシン(BF)の組成によって, 下垂体前葉β細胞などに対する染色性が異なる。市販BFをペーパークロマトグラフイーで調べ, β細胞に有効なBFはパラローズアニリン単品であることがわかった。各種市販BFからつくったAFの薄層クロマトグラフイーを比較したところ, β細胞に染色性のあるのはRf=0.0(色素a)の暗紫色スポットであった。色素aの質量分析の結果はパラローズアニリンとクロトンアルデヒドの縮合物と判明したので, その縮合物すなわちクロトンアルデヒドフクシン(CAF)を合成した。70%エタノール溶液での0.5%CAF溶液を塩酸でPH1.2に調整し, 染色を行ったところ, 下垂体前葉β細胞, 弾性線維, 肥満細胞等に対する染色性は従来のAF液に劣らぬ上, 共染が払拭され, 染色結果ははるかに鮮明であった。また従来のAF液が調製後3日の熟成期間を要したのに比し, 合成CAF液は直ちに使用でき, 長期間保存が可能であることなど, CAFに格段の優位性が認められた。
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1977-10-20
著者
-
鈴木 卓朗
聖マリアンナ医科大学病院第1解剖学教室
-
鈴木 卓朗
聖マリアンナ医大・第一解剖
-
鈴木 卓朗
聖マリアンナ医大第一解剖学教室
-
西村 民男
北里大学衛生学部
-
西村 民男
北里大・衛生
-
牛木 和代
聖マリアンナ医大・一解
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