16. 免疫組織学的二重染色膵外分泌細胞内の消化酵素について

概要

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近年電顕レベルで酵素組織化学及び免疫組織化学が広く使用されているが、作用の異なる複数の酵素或は複数の物質を同一標本上で電顕的に同時に検出できれば組織や細胞レベルにおける構造と機能の解析に関する意義は大きいと考えられる。今回我々は凍結超薄切片を用い酵素抗体法とフェリチン抗体法の組合わせによりマウス膵臓外分泌細胞のAmylase, Chymotrypsinogen, Trypsinogenの細胞内局在について検討を行った。マウスの膵臓を摘出後直ちに1mm^3の大きさに細切し3% Water Soluble Carbodiimide (Yamamoto et al, 1977)で固定し, 洗滌後20% gelatinに包理しBernhard, et al (1971)らの方法の変法により凍結超薄切片を作製し, 抗Amylase, 抗Chymotrypsinogen或は抗Amylase, 抗Trypsinogenの組合わせによる二重染色を行った。フェリチン標識部位及びDAB陽性部位は共に全ての細胞に認められ, 又細胞内の粗面小胞体, ゴルジ装置, Condensing Vacuoles, 酵素原顆粒等の同一部位に重複して観察された。従って, 膵外分泌部の細胞内には少くともAmylase, Trypsinogen, Chymotrypsinogenを同時に貯留しており, これらの酵素は多くの場合, 同一の位相で合成, 分泌されているものと思われる。
日本組織細胞化学会の論文
1977-10-20