85. 先体反応を起こした精子よりのacrosomal proteaseの放出。
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概要
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新たに排卵された卵子は、透明層とその外側の卵胞細胞層とにより2重にかこまれている。前者はacrosomal proteaseにより溶かされ、後者はhyaluronidaseにより分散される。受精の際の電子顕微鏡的観察によると、大部分の精子は卵胞細胞層においてacrosomal copの小胞化を起こし、透明層においてacrosomal collarの小胞化を起こしている。一方、組織化学的研究によると、透明層を溶かすacrosomal proteaseはacrosomal capに局在している。これらのことから、卵胞細胞層においてacrosomal capの小胞化を起こす大部分の精子はacrosomal proteaseを失い、卵の透明層を通過しえなくなる可能性が考えられる。この可能性を検討するため、本実験においては、人為的にacosomeの小胞化を起こさせ、acrosomal proteaseがacrosomeの小胞化により容易に精子より流出するか否かを調べた。その結果、精子はacrosomeの小胞化ののちただちにacrosomal proteaseを失うことが明らかとなった。これらの事実は、卵胞細胞層で小胞化を起こす大部分の精子は、acrosomal proteaseを失うため、透明層を通過できないことを示唆している
- 日本組織細胞化学会の論文
- 1978-11-01
著者
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