Ileocolic bladder substitution(マインツ・パウチ)の経験 : 初期11例における諸問題

概要

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尿禁制保持の尿管変更術として,Mainz法を行い,その手術適応・術式・成績について検討した。過去2年間に11例(男9例,女2例)に行い,年令は30〜69歳(平均54歳)であった。疾患の内訳は神経因性膀胱1例,間質性膀胱炎1例,尿路上皮性腫瘍9例である。術式は大略Mainz式の原法に沿って行った。消化器系の合併症は6/11例と高率であったが,重篤な腹膜炎でパウチの使用ができず腎瘻となった1例以外は保存的に治癒した。術式の異なる点として,(1)5例目よりパウチの縫合に重ならないよう上行結腸3〜4cm口側にhiatusを作成する粘膜下トンネル法で尿管新吻合を行った。前例逆流・狭窄なく吻合できた。(2)尿道断端に吻合する盲腸終末は狭窄予防のために粘膜を翻転させてから行う工夫を途中より行ったが,3/5例でTURを必要とした。(3)女2例および尿道摘除を行った男3例では尿禁制保持のために漿膜筋層剥離およびスティプラーにより安定化した回腸重積法によるnipple valueを作成した。1例でカテーテル挿入困難となり修正が必要であった。パウチは術後3ヶ月で低圧・350ml前後の容量が得られ,最終的に1例で当初の目的である尿禁制保持の生活が可能となった。
1991-08-20