胃癌腫瘍径と核DNA量変化の関係 : フローサイトメトリーによるvon Hippel-Lindau病に合併する腎癌での検討

概要

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(背景と目的)von Hippel-Lindau病に合併する腎癌(VHL腎癌)とsporadicな腎癌の染色体のaberrationは非常に類似しており,VHL腎癌には一つの腎に腫瘍径が非常に小さいものから,大きなものまで異なる進展度の癌が同時に存在する事より,sporadicな腎癌の発癌,進展モデルとして重要である。そこで我々は,VHL腎癌の核DNA量と腫瘍径から,腎癌発癌後のDNA ploidy変化がどの時期に起きるかを検討した。(対象と方法)1988年より1991年までに腎部分切除術等を受けたVHL腎癌6例,11腎,33腫瘍より,1腫瘍につき1〜7個,総計52個のパラフィンブロックを選択し,フローサイトメトリーで核DNA量解析を行った。(結果)VHL腎癌の腫瘍径は0.2〜8.2cmで,DNA aneuploid(aneuploid)は1.5cm以下の9腫瘍には認めず,1.6cm以上2.5cm以下の14腫瘍中4腫瘍(29%),2.6cm以上の10腫瘍中5腫瘍(50%)と腫瘍径の増大とともに有意に増加し(p<0.05),aneuploidの最小腫瘍径は1.8cmで,1.7cm以下の12腫瘤は全てDNA diploid(diploid)を示した。(結論)aneuploid腫瘍は腫瘍径1.7cm以下では認めず1.8cmで初めて出現することより,腎癌の多くはdiploidで発癌し,その後のDNA ploidy変化はこのあたりの腫瘍径で起きていることが示唆された。
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1996-04-20