触知不能前立腺癌に対する経直腸式前立腺生検 : 6カ所生検と12カ所生検の比較検討

概要

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(目的)癌検出率を高めるための試みの一つとして,6カ所を超える多数カ所生検がある.従来の系統的6カ所生検と12カ所生検とを比較し,癌検出率・合併症発生率を検討した.(対象と方法)1999年1月から2003年12月の5年間に,超音波ガイド下経直腸式前立腺生検を施行した症例のうち,初回生検で,かつ臨床的にT1c癌が疑われた150例(6カ所生検群52例,12カ所生検群98例)を対象とし,この2群間で癌検出率,PSA値別の癌検出率,合併症発生率を比較した.(結果)6カ所生検群では52例中17例(32.7%),12カ所生検群では98例中35例(35.7%)で癌が検出されたが,癌検出率には統計学的有意差を認めなかった.PSAを4.0ng/ml以下,4.1ng/ml以上10.0ng/ml以下,10.1ng/ml以上のsubgroupに分けて検討したが,いずれのsubgroupでも癌検出率に統計学的有意差を認めなかった.6カ所生検群では4例(7.7%)に,12カ所生検群では5例(5.1%)に合併症を認めたが,その発生率には統計学的有意差を認めなかった.(結論)6カ所生検と12カ所生検との2群間の癌検出率および検査後合併症発生頻度には,統計学的有意差を認めなかった.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
2006-09-20