一期的尿道下裂修復術の成績

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様々な一期的尿道下裂修復術の中から少数の術式を選択して,ほとんどの尿道下裂に適応可能な一連の術式が求められている.われわれは既往手術のない尿道下裂症例17例に対して,KeatingとDuckettの選択規準に従い,陰茎形態に応じて6種類の一期的尿道下裂修復術を施行した.手術時年齢の中央値は3歳2カ月で,平均観察期間は7カ月であった.術式の内訳は,MAGPI法2例,Pyramid法2例,Mathieu法1例,Onlay island flap法6例,Transverse preputial island flap and glans channel(Duckett)法4例,膀胱粘膜および下口唇粘膜併用法2例であった.術後,Onlay island flap法の1例に尿道皮膚癌,Duckett法の1例に外尿道口狭窄と吻合部狭窄,膀胱粘膜および下口唇粘膜併用法の1例に軽度尿道口後退,他の1例に膀胱粘膜・口唇粘膜吻合部狭窄と膀胱結石が発生したが,それぞれ,単純な手術により治癒した.Onlay island flap法とDuckett法を施行した10例中2例に陰茎腹側面の皮膚萎縮が生じ,そのうち1例は陰茎の前屈が著明となったが,立位排尿は可能で尿線は前方に飛んでおり経過観察中である.全体としての再手術率は24%(4/17)であったが,これらの術後合併症の発生原因は,多くの場合明らかで,これらの点を注意すれば,さらに再手術率を下げることが可能と思われる.これらの結果から,KeatingとDuckettが示した術式の選択規準は,様々な陰茎形態に対応できる有用で信頼性のあるものと思われる.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1994-11-20

一期的尿道下裂修復術の成績

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