酸素電極法でみたヒト陰茎循環動態 : 第2報循環動態よりみた脊髄損傷患者の反射性勃起出現に関与する要因について

概要

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脊髄損傷者(第5腰髄以上)30例において、反射性勃起、精神性勃起および射精の発生率を問診およびアンケート調査にて検討したのち、29例にて酸素電極法を用い陰茎海綿体、陰茎皮下および大腿皮下組織酸素分圧を連続的に測定し、反射性勃起誘発時の各組織血流変化を観察した。陰茎弛緩(平常)状態での各組織酸素分圧レベルおよび酸素(吸入)負荷に対する応答、亀頭への刺激により反射性勃起の誘発を試みた時の各組織酸素分圧の応答を観察し、脊髄損傷者の反射性勃起出現に影響をおよぼす要因について陰茎循環動態から検討を加え、以下のごとき結論が得られた。1)脊損者における反射性勃起、精神性勃起および射精の発生率は、問診およびアンケート調査では、それぞれ63.3%、10%、5.O%であった。2)球海綿体反射が消失し、勃起に関する仙髄(S_2-S_4)反射弓が直接障害されていると考えられた4症例(13.7%)では、亀頭への刺激によっても陰茎海綿体組織酸素分圧は増加を認めず反射性勃起は誘発されなかった。
社団法人日本泌尿器科学会の論文