永久的尿路変向術後の腎機能の推移について

概要

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1971〜1981年までに岩手医科大学泌尿器科およびその関連病院において, 永久的尿路変向術 (回腸導管110例, 尿管皮膚瘻72例, 腎瘻42例) 224例を施行し, 術後の腎機能の推移を観察した.腎機能の観察は, 腎盂造影, BUN, 血清 creatinine, 血清電解質 (Na, K, Cl, Ca) . PSP試験, Fishberg氏試験, 尿検査を術前および術後は1〜7日目, 8〜14日目, 1〜3ヵ月, 6ヵ月目, 1年目, 以後1年毎に観察した.術前の腎機能は, 腎瘻群>尿管皮膚瘻群>回腸導管群の順に障害を認め, 特に腎瘻群はすべて水腎症であった.術後の腎機能の推移は, 回腸導管群では術後1〜3ヵ月目に一過性の水腎を認めたが, 6ヵ月以後は正常に復した.血清 creatinineは1.0〜1.2mg/dlの範囲内で推移した.尿路感染は術後42.1%が陰性であり, それらの60%は1年以内に消失した.総じて腎機能は良好に維持された.
社団法人日本泌尿器科学会の論文
1983-08-20