尿路***悪性腫瘍における免疫療法の研究 : 第2報悪性腫瘍患者の末梢血K-cell populationの変動とOK-432免疫療法におけるAntibody Dependent Cell-mediated Cytotoxicity (ADDC) の意義

概要

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尿路***悪性腫瘍患者(腎腫瘍10例,膀胱癌16例,前立腺癌6例,尿道癌1例)における末梢血K-cell populationの変動をプラーク形成法により測定し,その意義を免疫療法による影響と共に検討した.1)転移を伴う尿路***悪性腫瘍患者(N=16)のK-cell population(4.9±2.5%)は健康成人(8,8±1.6%:N=13)および転移を認めない悪性腫瘍患者(8.1±1,9%:N=17)の値と比較し有意な低値をしめした(p<0.01).一方,末梢リンパ球数はこれら3群において有意な差異を認めなかった.2)OK-432を中心とした免疫療法施行12例において,治療後1ヵ月でK-cell population(6,6±2.1%→10.2±2.1%)の有意な上昇(p<0.01)を認め,また抗A群レンサ球菌特異C多糖体抗体(ASP)値も最大値は128倍ではあるが有意に上昇した(p<0.05).一方,末梢リンパ球数および免疫グロブリンの有意な変動を認めなかった.3)OK-432には腫瘍とレンサ球菌との抗原交差反応性およびASPを介するADCC活性による腫瘍特異免疫作用発現の可能性が示唆された.
社団法人日本泌尿器科学会の論文