横道古墳より出土した歯について
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
山口県美祢市の横道古墳より出土したヒトの歯66本について調査した結果を要約すると以下のごとくである.1. 総歯数66本の内訳は永久歯が61本, 乳歯が5本であった.2. 歯の計測値によってその大きさを現代日本人と比較してみると, 横道古墳人の方が大きく, 特に歯根長が長いようである.このことは弥生時代人と同じような傾向である.3. 歯の形態において特徴的なことは, 一部の歯に現代人よりも著明な原始的形質を保持しているということである.4. 66本の歯はおよそ9体分のものではないかと考えられる.しかし明確なものは5本の乳歯と上下顎第1大臼歯2本を含む3∿5才の小児1体と, 10∿15才の2体であって, 残りの6個体については推定によって分類したもので確実に断定することはできない.5. 性別の判定については明確に判断することはできなかったが, そのうち2体は女性のものと思われる.
- 1980-07-25
著者
-
山田 博
九州歯科大学口腔解剖学第1講座
-
井本 廣麿
九州歯科大学口腔解剖学教室
-
山田 啓二
九州歯科大学口腔解剖学第1講座
-
井本 広麿
九州歯科大学口腔解剖学第1講座
-
井本 廣麿
九州歯科大学口腔解剖学第1講座
-
佐々木 正剛
九州歯科大学口腔解剖学第1講座
関連論文
- 五島住民の口腔の形質人類学的研究
- 哺乳類の咀嚼器官, 特に歯の形態比較
- 38. ブタ (Sus scrofa domesticus) の乳臼歯の形態に関する研究(第 37 回九州歯科学会総会講演抄録)
- 二根性下顎犬歯の 13 例
- 舌および口腔底の超音波断層撮影法
- 顎関節頭の超音波断層撮影法
- 種子島住民の歯列弓および口蓋の形態学的研究
- モアレ写真を利用したコンピューター画像処理による歯根表面積の測定
- 乳歯列における過剰歯について
- ホンドタヌキ (Nyctereutes procyonoides viverrinus T.) の横口蓋ヒダの形態学的研究