鋳造用Ag-Pd-Cu合金の諸性質

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概要

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パラジウムを20, 25, 30wt%, 銅を10, 15, 20wt%含み残量50〜70wt%を銀とする9種類のAg-Pd-Cu三元合金を溶製・鋳造し, 軟化・硬化処理した合金の機械的性質・耐変色性を調べた.軟化処理したとき, 実験合金の引張強さは39〜48kgf/mm^2の範囲内にあったが, 硬化処理を加えると69〜91kgf/mm^2の範囲に増加し, ほぼパラジウム量の増加に比例して引張強さが増加し, 引張強さが最大となった組成は, 軟化処理・硬化処理ともに52〜54Ag-30Pd-16〜18Cu付近にある.37℃0.1%硫化ナトリウム溶液中に3日間全浸漬した試験片の明度(L^*)は, 軟化処理・硬化処理試験片ともに63〜67の範囲にあり, パラジウム量が増加しても耐変色性はほとんど改善されない.鋳造体の偏析は, 亜鉛を含むAg-Pd-Cu合金より少ないが, 合金種によってAg-Cu(-Pd)相の部分的な偏析が認められた.
1987-11-25

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