20%Pdを含むAg-Pd-Cu-Zn合金に関する研究

概要

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パラジウムを20%(重量%, 以下同じ)に一定し, 銅5, 10, 15, 20%, 亜鉛0, 5, 10%, 残量を銀とした12種のAg-Pd-Cu-Zn合金を溶製し, 歯科精密鋳造法に準して鋳造したのち熱処理した試験片を用いて, 引張強さ・伸び・ビッカースかたさ・0.1% Na_2S溶液に浸漬したのちの変色を調べた.亜鉛5〜10%, 銅10〜20%を含む合金の鋳造組織には, 鋳造欠陥がほとんど見当たらず, 亜鉛および銅の脱酸効果が認められた.機械的性質の点から推定される最適組成は銅16〜17%, 亜鉛6〜7%, パラジウム20%, 銀56〜58%で, この組成の合金は, 軟化処理時の引張強さ47±2kgf/mm^2, 伸び16〜25%, 硬化処理時の引張強さ55±3kgf/mm^2, 伸び6〜15%を持つ.しかし, 銅10%以上・亜鉛5%以上を含む合金の組織は, Pd-Zn相, Agα相およびAg-Cu共晶より成り, 0.1% Na_2S溶液内に浸漬すると微細な点状の黒変化を生じる.
1984-05-25