鋳造用Ni-Cr-Mo合金に関する研究

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クロムを10から25wt%に, モリブデンを0から15wt%に5%おきに変化させ, 残量(60〜90wt%)をニッケルとする16種の合金を高純度アルゴン雰囲気中で溶製し, 大気中で遠心鋳造したときの引張強さ, 伸び, ビッカースかたさおよび耐変色性を調べた.得られた測定値をクロム・モリブデン量について直交分解分散分析し有意となった項に関する直交多項式を求めて, クラウン・ブリッジ鋳造用合金の最適組成を推定した.鋳造体の引張強さは, ほぼモリブデン量が増加するにつれて増すが, Mo15%, Cr25%付近ではかえって減少する.引張強さ65kgf/mm^2以上を持つ合金組成はクロム15〜22%, モリブデン12〜15%を含む範囲内にあった.伸びは, クロム約17%, モリブデン約11%を含む組成で最大値約27%となる.ビッカースかたさは, クロム, モリブデンの量が増すにつれて増加し, クロム25%, モリブデン15%で218となった.37℃の1%乳酸-0.1%硫化ナトリウム混液中に3日間全浸漬したのちの明度L^*は, クロム15%以上ではクロム量, モリブデン量が増すにつれて増加し, 耐変色性が改善される.引張強さが最大となる合金の推定組成は69Ni-18Cr-13Moで, クロム量, モリブデン量についてそれぞれ±2, ±1wt%の許容限を持つ.この組成の合金の引張強さは67±4kgf/mm^2, 伸びは25±5%, ビッカースかたさは188±4, 変色試験後の明度L^*は71±1である.
1986-05-25

鋳造用Ni-Cr-Mo合金に関する研究

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