生体材料に関する研究(その1) : ハイドロキシアパタイトをキトサンで練和した骨補填材について
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概要
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植物, 動物界にわたって存在する天然高分子キチン, キトサンはコラーゲンと同様に生体にとって安定な物質である.このキトサンを結合材としてハイドロキシアパタイトを基材とする骨補〓材を作製した.この材料の硬化時間, 圧縮強さ, pH値, 組織観察について種々検討した結果, 以下の結論を得た.1)キトサンはリンゴ酸, クエン酸, コハク酸, アスコルビン酸には溶けたがシュウ酸には溶けなかった.2)硬化時間はCaO量, ZnO量が多くなるにしたがって短くなった.3)硬化時間は練和時のキトサンゾルの量が多くなると長くなった.4)硬化体のpH値は練和時にゾル量が多いと7以下になった.5)硬化体のpH値はCaO量, ZnO量が増加するにしたがって7以上となった.6)キトサンを溶解してから粉末と練和するまでの時間が圧縮強さに影響した.キトサンを溶解後90分から150分の間で用いると圧縮強さは約50%大きくなった.7)CaO量が2%のときZnO量が増加するにしたがって, 圧縮強さは大きくなる傾向であった.8)ハイドロキシアパタイト以外のCaからなる結晶が認められた.
- 1990-07-25
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