局所的・大局的な特徴を利用した歌声と朗読音声の識別

概要

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音声信号の局所的・大局的な特徴を利用した歌声と朗読音声の識別について検討する.聴取実験の結果, 人間は200ms, 1sの音声信号に対して, それぞれ70.0%, 99.7%で歌声と朗読音声の識別が可能であることを確認した.この結果より, 短時間・長時間の音声信号に対して, 異なる特徴が識別に影響するということを想定し, スペクトル包絡(MFCC)と基本周波数の軌跡の2つの尺度に基づく識別器を設計した.このとき, 入力音声信号が1秒よりも長い場合, 基本周波数の軌跡を特徴量として利用した方がスペクトル包絡を特徴量とするよりも識別性能が高い.特に, 発声開始より2秒の音声信号に対して85.0%の歌声と朗読音声の識別が可能であった.一方, 入力音声信号が1秒よりも短い場合, スペクトル包絡の方が基本周波数の軌跡に比べて識別性能が高い.最終的に, 2つの尺度を単純に統合することによって2秒の音声信号に対して87.5%の識別率を得ることができた.
一般社団法人情報処理学会の論文
2005-08-04