ARHMMに基づいた音声分析手法と歌声認識による評価(聴覚・音声及び一般)

概要

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従来、広く用いられている音声分析手法の1つに線形予測法がある。線形予測法は、提案された当初から指摘されているように、高基本周波数の音声を分析する場合、推定された声道特性スペクトルのピークが声帯振動に起因する調波構造に偏るため、フォルマント構造を正しく抽出できないという問題点があった。我々は、この問題点を改善するために、声道特性には線形予測法と同様のAuto-Regressive(AR)フィルタを用いるが、声門音源には状態を環状に接続したHidden Markov Model(HMM)を用いて音声信号を表現するARHMMとそれに基づいた音声分析手法を提案し、その有効性を主に合成音声を使用した実験により示した[5], [6]。一方、尾関[7]らは、歌詞の自動認識を目的として従来の連続音声認識システムを歌声に適用し、高基本周波数や長音化(音韻の引き延ばし)が認識精度の劣化要因となっていることを示している。本稿では、歌声の特徴抽出にARHMMを用いることで、歌声認識精度の改善を試み、実音声の分析におけるARHMMの有効性について検討する。
社団法人電子情報通信学会の論文
2005-07-15