旅行相談を例にした対話における意味処理に関する研究

概要

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本論文では, お互いに別々の処理として認識されてきた情報を処理するコンピューティングと言語を処理するコンピューティングである自然言語処理技術を融合し, 言語の意味を処理するコンピューティングの提案を試みる.具体的には旅行相談における対話をとりあげ, 言葉によって作りだされた意味を解釈することにより相手の意図を汲み取り, 情報の伝達・処理が行われる対話システムの開発を試みた.対話における意味処理の枠組みとして, 選択体系機能言語理論において提唱されている, 言語体系に基づいて構成された人間の言語使用の経験モデルである「意味ベース」の枠組みを導入した.これにより, 対話処理研究において大きな課題となる三つの処理(「発話の意味解釈」, 「発話の意味生成」, 「意味解釈に基づく情報処理(情報検索など)」)のうち, 「発話の意味解釈」においては, あまり重要とされなかった語彙文法的特徴が作り出す意味までも扱うことが可能になった.それにより内容的に同じ事柄における発話も言い方によるその意味の違いを認識し, それを情報検索に反映させることができるようになり, 「意味解釈に基づく情報処理」にも新しい工夫を提示することができた.以上のことを旅行相談の対話シミュレーションを通じて提案する手法の実用可能性を示し, 意味に基づいた情報処理の実現を試みている.
日本知能情報ファジィ学会の論文
2001-02-15

旅行相談を例にした対話における意味処理に関する研究

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