調理行動に伴う対機械対話収録実験
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概要
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機械に対する発話を集めるための対話音声収集実験を行った。これは音声対話を機械のユーザー・インタフェースに用いるための基礎的知見を得る事が目的である。想定される使用場面に近い状況で発話を得るためにいくつかの工夫を行った。タスクへの動機付けを確保し話題の発散を防ぐために、実作業を伴う状況での実験を行った。作業としては調理を選んだ。その理由は人工的・恣意的でなく日常的に馴染みがある、用語が安定し語彙的にも音声認識の可能性が高い範囲である、手が塞がっている、濡れているなど、音声を主たるモ-ドとする事に必然性がある、などである。システムのレベルを現実的なものに近づけつつ広範な対話現象を得るため、音声認識部分のみをオペレーターが代行し、その他の部分を全て自動で行うWOZ方式を採用した。被験者にはタスクとの親和性が高い主婦を選ぴ、実験環境にも実際の厨房を用い、被験者には新しい調理器具の試用という教示を与えた。実験中の観察、アンケート、得られたデータの簡単な分析によって、発話はスピーカーに向かってなされやすい、焦点は基本的には詳細化の方向でながれる、ユーザー・システム間での常識や指示語概念の不一致がある場合に再質問が起こることなどがわかった。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1997-07-18
著者
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酒寄 哲也
(株)リコーネットワークシステム研究所
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望主 雅子
(株)リコー 情報通信研究所
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小島 裕一
(株)リコー 情報通信研究所
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佐藤 奈穂子
(株)リコー 情報通信研究所
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酒寄 哲也
(株)リコー・情報通信研究所
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佐藤 奈穂子
(株)リコー情報通信研究所
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望主 雅子
(株)リコー情報通信研究所
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望主 雅子
(株)リコー
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小島 裕一
(株)リコー情報通信研究所
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