就業女性における月経随伴症状と作業形態との関連

概要

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本研究は繊維, 染色関係の事業所で働いている健常女性118名のうち月経のある66名を対象とし, 月経随伴症状の出現状況と仕事の作業形態, 作業の周辺環境との関連性について検討した。1)月経随伴症状を自覚しているものは66名中62名で93.9%を占めた。鎮痛薬の服用, 欠勤や寝込むなど, 生活に支障をきたしているものは17名の25.8%であった。2)月経前の不定愁訴は乳房痛, いらいら感, 腹部膨満感, 眠気などで, 月経中は下腹痛, 腰痛, 下痢などの自覚症状が多くみられた。自覚症状得点は月経前より月経中が有意に高く, 月経前に高得点ほど月経中も高いことが分かった。生活に支障あり群がなし群より有意に高得点を示し, 月経中の下腹痛, 腰痛, 不快感などの不定愁訴の得点が高かった。3)仕事の作業形態および周辺環境と不定愁訴をみると, 座位一定作業と月経前の不快感, 神経を使う作業と月経中の下腹痛, 腰痛, および低温環境での作業と月経前の腰痛に関連性を認めた。以上のことから, 作業形態が動きの少ない静的な作業や低温環境下での作業に従事している女性において身体的, 精神的症状の自覚が増強される可能性が示唆された。
日本母性衛生学会の論文