キサントゲン酸カリウム類を用いる金の溶媒抽出-原子吸光分析
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概要
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金(III)はキサントゲン酸イオンと錯体を生成して,pH 6.0〜8.5のpH範囲でメチルイソブチルケトン(MIBK)やメチルペンチルケトン中に定量的に抽出された.数種の陽イオンが負の干渉を示したが,二,三のマスキング剤を用いて干渉を除去できた.この抽出法を原子吸光分析に利用したところ,水溶液を直接試料とした場合に比べて約3倍の定量感度の向上がみられ,更に濃縮率を大きくすることにより水相中濃度0.03μg/ml程度の微量金が十分定量できた.定量精度は,10回繰り返し定量値の変動係数が3%以下であり,他の方法に比べて劣らない.本法を人体組織36例中の微量金の定量に応用したが,2例中から1.35μg/g,3.32μg/gの定量値を得た.又,この際マトリックスの影響は認められなかった.なお,キサントゲン酸カリウム類の中ではペンチル基を置換基として持つものが良い結果を与えた.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1981-06-05
著者
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