エチルキサントゲン酸カリウム・メチルイソブチルケトン溶媒抽出を利用するカドミウム及び銅の原子吸光分析

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カドミウム及び銅の原子吸光分析に、キレート剤としてエチルキサントゲン酸カリウムを用いメチルイソブチルケトンで抽出する溶媒抽出法を利用する目的でその基礎的諸条件を調べ、実試料への応用として人体組織中のカドミウム及び銅の定量を試みた。カドミウム-エチルキサントゲン酸錯体は pH6.0〜9.0 で、また銅-エチルキサントゲン酸錯体はpH6.O〜10.Oで定量的にメチルイソブチルケトンに抽出され、その抽出化学種は比較的安定であった。共存イオンの影響は、コバルト、ニッケル、鉄、クロム、アルミニウムなどが大過剰量共存すれば影響を与えることが分かった。一方、カドミウムの定量においてヘキサシアノ鉄(II、III)酸イオンの共存は負の干渉を与え、特にヘキサシアノ鉄(III)酸イオンは著しい。本法と、現在多く用いられているジエチルジチオカルバミン酸ナトリウム、ピロリジンジチオカルバミン酸アンモニウムを用いた場合との比較を人体組織中のカドミウム及び銅の定量結果について行ったところ、著しい有意の差はみられなかったが、本法による結果のほうが標準偏差、変動係数ともに小さく良好であった。なお、検量線から得た本法の感度はカドミウムの場合は 0.014μg/ml/ml_<[MIBK]>/1% 吸光であり、銅の場合は 0・040μg/ml_<[MIBK]>/1% 吸光であった。
1975-07-10

エチルキサントゲン酸カリウム・メチルイソブチルケトン溶媒抽出を利用するカドミウム及び銅の原子吸光分析

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