アルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウム分解後紫外吸光光度/PLS回帰分析法及びイオンクロマトグラフ法による海水中の全窒素定量(<特集>海と空と島の環境分析)
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
河川水などに含まれる全窒素の測定は必要性が高く,しばしばアルカリ性でペルオキソニ硫酸カリウムにより酸化分解し,紫外部の吸収(波長220 nm)を測定する方法が利用される.しかし,海水は約0.8mMの臭化物イオンを含み,これが一部酸化されて臭素酸イオンを生じ,両者とも紫外吸光度測定を妨害するので,海水試料への直接適用はできないと考えられてきた.酸化分解をIS0 11905-1の条件で行うと,臭化物イオンはほとんどすべて臭素酸イオンに酸化され,紫外部多波長測定とpartial least squares (PLS)回帰分析法によってその影響を回避して全窒素定量が可能であることを見いだした.この方法を適用するための検量標準作成法を検討し,模擬海水に硝酸カリウムと臭素酸カリウムを溶解した溶液が適当であることを明らかにした.また,臭化物イオンの酸化反応を解明するためと,紫外吸光光度/PLS法による結果の参照値を得るために陰イオンクロマトグラフ法の分離・検出条件を検討し,海水などの実試料の測定を行い,両方法を比較した.この結果,紫外吸光光度/PLS法により0.2〜5.0 mg-N/l,陰イオン交換分離-紫外吸収検出法により0.01〜10 mg-N/lの窒素測定が可能であることを明らかにした.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 2004-12-05
著者
-
佐藤 寿邦
横浜国立大学
-
佐藤 寿邦
横浜国立大学大学院工学府機能発現工学専攻
-
佐藤 寿邦
横浜国立大学工学部
-
横山 幸男
横浜国立大学大学院工学府機能発現工学専攻
-
橋田 剛
横浜国立大学大学院工学府機能発現工学専攻
関連論文
- 難燃処理済スチレンポリマー中のポリ臭素化ジフェニルエーテルの溶媒抽出及び熱脱着 GC/MS 分析
- 高分解能ガスクロマトグラフィー/質量分析法による臭素化ダイオキシン類分析におけるガスクロマトグラフ注入口での熱分解反応について
- 高分解能ガスクロマトグラフィー/質量分析法による臭素化ダイオキシン類の分析における臭素化ビフェニルエーテルの影響
- 一般化最小二乗法による機器の校正と未知試料濃度及び不確かさの計算--ISO6143とエクセルVBAプログラム
- 校正曲(直)線の当てはめにおける回帰の分散分析の考え方--決定係数R2の定義とその利用
- 重みつき最小二乗法による直線検量線--考え方と不確かさ
- シアン化物イオン標準液の保存安定性と分解生成物
- サプレッサー付電気伝導率検出方式陰イオンクロマトグラフィーにおける直線検量線の妥当性
- 直線検量線を利用する定量分析値の不確かさ--考え方と計算法
- 液体イオン化質量分析法による新生児尿の直接分析
- 化学データベース
- 電気伝導率検出-陽イオン交換クロマトグラフィーによる複合金属酸化物電極材料の分析
- アルカリ性ペルオキソ二硫酸カリウム分解後紫外吸光光度/PLS回帰分析法及びイオンクロマトグラフ法による海水中の全窒素定量(海と空と島の環境分析)
- ペルオキソ二硫酸カリウム分解-紫外吸光光度法による全窒素定量法の検討--JIS法及びISO法の比較とダウンスケール化
- アンモニウムイオン定量のためのインドフェノール青法--JIS K0400-42-60とJIS K0102の比較 (水質試験方法特集--'01)
- ポリオキシエチレン系非イオン界面活性剤のトルエン直接抽出/チオシアン酸鉄(III)による吸光光度定量のスケールダウン化 (ダウンサイズ化する分析化学)
- 電気化学データベースの概要
- 電気伝導率検出法によるアルカリ及びアルカリ土類金属イオンのイオン交換クロマトグラフィーにおける溶離液の選択
- 高校「化学」教科書の異変
- ディジタルエレクトロニクス
- 電気伝導度検出による二価金属イオンのイオン交換クロマトグラフィー
- 電気伝導度検出によるアルカリ金属,アルカリ土類金属イオンのイオン交換クロマトグラフィー
- 赤外全反射減衰法による高濃度塩類混合水溶液の組成測定法
- 赤外全反射減衰法による製塩工程溶液の硫酸イオン濃度の測定法
- 赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法
- 赤外拡散反射法による塩製品の硫酸イオン含有量の簡易測定法
- 赤外全反射減衰法による製塩工程溶液の硫酸イオン濃度の測定法
- 液体イオン化質量分析法による先天性代謝異常症尿中有機酸検出における硝酸の添加効果
- 多量の塩化ナトリウムと共存するカルシウムとマグネシウムのキレート滴定
- 7及び8塩素化ダイオキシン類の高分解能GC/MS分析におけるカラムエンド冷却による高感度検出法
- 多変量回帰分析
- 化学センターデータベース, 電気化学データベース
- 高感度示差型伝導度計を検出器とするイオン交換クロマトグラフィーの実用性
- 低交換容量カラムと低濃度溶離液を用いるイオン交換クロマトグラフィー : 電気伝導度検出法についての考察
- カロリーメータの試作