電子捕獲型検出器を用いるガスクロマトグラフィーによる環境水及び工場排水中のo-,m-及びp-アミノフェノールの定量
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概要
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環境水及び工場排水などの水試料中のアミノフェノール類を無水酢酸及びペンタフルオロベンゾイルクロリド(PFBC)を用いて誘導体化し,この誘導体を電子捕獲型検出器付きGC(ECD-GC)で測定し,アミノフェノール類を定量する方法を確立した.すなわち,水試料500mlを塩酸酸性にした後,無水酢酸1mlを加え40分間振り混ぜ,アミノフェノール類をアセチル化した.次に,炭酸水素ナトリウム20gを加え溶解し,pH7.7とした後,PFBC100μlを加え,10分間振り混ぜ,ヒドロキシアセトアニリド(HAA)のフッ素誘導体を作り,酢酸エチル100mlで2回抽出後,クデルナ-ダニッシュ(KD)濃縮器を用いて濃縮した.更に,この濃縮液をフロリジルカラムに入れ,ジエチルエーテル-ヘキサン(1:19)100mlで洗浄後,ベンゼン-エタノール-酢酸エチル(4:3:3)200mlを用いて溶出し,KD濃縮器で1mlとし,その2〜5μlをECD-GCに注入した.検量線から得られたHAAの量に分子量比を乗じてアミノフェノール類の量を算出した.この方法による水試料からの回収率はo-アミノフェノール:63〜82%,m-アミノフェノール:60〜76%,p-アミノフェノール:63〜76%であった.又,パックドカラム(OV-225+SP-2401)を用いたECD-GCで測定した場合の検出限界は,o-アミノフェノール:0.2μg/l,m-アミノフェノール:0.4μg/l,p-アミノフェノール:0.4μg/lであった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1988-05-05
著者
-
大崎 靖彦
福岡県衛生研究所
-
松枝 隆彦
Fukuoka Environmental Research Center
-
松枝 隆彦
福岡県衛生公害センター
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大崎 靖彦
Fukuoka Environmental Research Center
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