ミニチュアカップを用いた黒鉛加熱炉-偏光ゼーマン原子吸光分析法による生物試料中のマンガンの直接定量
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概要
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黒鉛製ミニチュアカップを固体粉末試料のひょう量・移動及び原子化容器として用いる黒鉛加熱炉-偏光ゼーマン原子吸光分析法による環境試料中のマンガンの直接定量法を検討した.基礎的検討は,米国標準局(NBS)作製の標準試料Oyster Tissue及びBovine Liverなどを用いて行った.最適加熱条件(予備灰化100℃60秒間,灰化500℃120秒間,原子化2500℃10秒間)及びピーク面積法を用いて測定するならば,上述の2種のNBS標準試料を用いて作成した固体試料の検量線により,国立公害研究所作製のムラサキイガイ及び頭髪中のマンガンの直接定量を簡便,迅速に行えることが明らかとなった.又,それぞれの直接定量結果は,酸分解した後,原子吸光分析法による分析値及び保証値とよく一致した.なお,原子吸光分析法ではリン及びカルシウムが干渉したが,マグネシウムの添加により干渉を抑制できた.直接定量法の検出限界は,279.6nmの分析線を用いた場合,ベースラインの変動の3倍の信号に相当するマンガン量として0.1ngであり,精度は7回の測定の標準偏差として2〜4%であった.分析所要時間は,1サンプル当たり7回の測定を行うとして試料のひょう量を含めて約1時間であった.なお,ピーク高さ法を用いた場合には加熱プログラム開始直前に硝酸を添加するAnalyte modification techniqueの適用により,標準溶液(硝酸酸性)により作成した検量線法での定量が可能であった.
- 1986-02-05
著者
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