heated graphite atomizer-原子吸光分析法による極微量アルミニウムの定量 : 鉄鋼分析への応用

概要

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heated graphite atomizer (HGA)-原子吸光分析法による極微量アルミニウムの定量についての基礎的検討を行ない,鉄鋼中のアルミニウムの定量へ応用した.すなわちアルゴン流量の制御とHGAの印加電圧が最も感度に大きく影響することなどを明らかにし,これらの検討結果に基づいてアルミニウムの測定条件を次のように確立した.アルゴン流量50l/h,印加電圧9.0V,いわゆるdrying time 20〜50秒,ashing time 90秒,atomizing time 20秒とした.この条件下でのアルミニウム0.2μg/mlのくりかえし測定精度は30回の測定で3.8%であった.鉄鋼分析への応用を前提として共存元素の影響について検討した結果10倍量までのクロム,銅,マンガン,ニッケルなどは影響しないが,鉄,モリブデン,チタン,マグネシウム,カルシウムなどは負の誤差を与えた. したがって主成分の鉄をMIBK抽出で除く方法で日本鉄鋼標準試料中のアルミニウムを定量した結果,標準添加法では良好な結果が得られた.この場合の分析精度は5.6%であった.
社団法人日本分析化学会の論文