黒鉛ミニチュアカップを使用するゼーマン原子吸光分析法による環境試料中のクロムの直接定量

概要

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黒鉛製ミニチュアカップを用いるゼーマソ黒鉛炉原子吸光分析法による種々の固体粉末試料中のクロムの直接定量に関する検討を行った.分析線として359.3nmを用い,加熱条件を検討した結果,予備灰化は220℃,60秒間,原子化は2500℃,10秒間が最適であった.又,灰化は米国国立標準局(NBS)Orchard Leavesなど6種については550℃,120秒間が,NBS Oyster Tissue,ムラサキイガイについては1050℃,120秒間がそれぞれ最適であった.最適加熱条件下においてNBS標準試料(5種)の採収量を変え,保証値から換算したクロム量と吸光度の関係を検討した結果,いずれの試料も試料量0,1〜0.8mgの範囲で良好な直線関係を示し,しかも各試料とも直線の傾きは,ほぼ同じであった.従って,NBS標準試料を用いて固体試料の検量線を作成し,実際試料へ応用した.すなわち,本法による国立公害研究所作製のムラサキイガイ標準試料及び自作の茶菓試料(2種)の直接定量を試みた結果,直接定量の分析値は,酸分解した後,黒鉛炉原子吸光分析法による分析値と良く一致した.感度(吸光度0.0044を示す値)は,クロム7×10^<-12>g,精度は相対標準偏差として6〜9%であった.
1984-06-05