テトラデシルジメチルベンジルアンモニウム-ヨード錯体のイオン対抽出を用いる金,白金の誘導結合プラズマ発光分析

概要

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金(III),白金(IV)のヨード錯陰イオンはテトラデシルジメチルベンジルアンモニウム(ゼフィラミン)イオンとイオン対を形成し,クロロホルムに定量的に抽出されるので,この抽出系を利用して金(III),白金(IV)の誘導結合プラズマ発光分析法について検討した.本法によれば,金(III),白金(IV)ともに抽出時の水相のpH依存性は少なく,水相/有機相の容積比(V_a/V_o)が25 cm^3/5cm^3で,かつ水相中の金(III),白金(IV)の濃度が0.40μg cm^<-3>の場合,各々二つの分析線を用いて得られた検出限界(3σ)はそれぞれ2.7 ng cm^<-3>(Au I 267.595 nm), 4.3 ng cm^<-3> (Au I 242.795 nm),5.8 ng cm^<-3>(Pt II 214.423 nm), 11 ng cm^<-3>(Pt I 265.945 nm)であり,相対標準偏差(n=10)はいずれも1〜2%であった.本法を,金銀ビード合金試料中の金,白金の定量に適用し,満足な結果を得た.
社団法人日本分析化学会の論文
1985-11-05