テトラヒドロホウ酸ナトリウム還元系を用いたヒ素(III,V)の連続水素化物発生-原子吸光分析におけるヨウ化カリウム-塩酸による加熱連続予備還元の効果
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概要
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テトラヒドロホウ酸ナトリウム-塩酸還元系を用いる連続水素化ヒ素発生-原子吸光分析においては,ヒ素(V)の原子吸光感度はヒ素(III)の弧光感度の約50%しか示さない.両者の感度を整合させるために種々検討した結果,ヒ素(V)溶液とともに6M塩酸と40%ヨウ化カリウム溶液を連続的に,85℃に加熱した長さ1m,内容量5mlのガラス製予備還元コイルを通過させ,ヒ素(V)をヒ素(III)に還元した後,テトラヒドロホウ酸ナトリウム溶液と接触させる方法で両ヒ素の感度差をなくすことができた.アンチモンは5倍量,スズは(15〜30)倍量,テルルは20倍量,硫黄は60倍量共存するとヒ素の感度を約10%低下させるが,これらのイオンが共存する場合は,上記6M塩酸にヒドロキシルアンモニウムを添加することによって,かなりの程度まで,それらの干渉を抑えることができた.本法でのヒ素の検出限界は0.3ng/mlであり,1回の測定に必要な試料液量は約10mlであった,20ng/mlのヒ素標準溶液の10回繰り返しの精度は1.0%であった.この方法を訳本並びに標準物質の分析に適用して,正確かつ迅速に微量ヒ素(III, V)の定量ができることを確認した.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1983-06-05
著者
-
松尾 博
広島大学総合科学部
-
池田 昌彦
日本ジャーレル・アッシュ株式会社
-
熊丸 尚宏
広島大学総合科学部
-
熊丸 尚宏
日本分析化学会中国四国支部
-
熊丸 尚宏^
広島大学総合科学部
-
池田 昌彦
日本ジャーレル・アッシュ (株)
-
池田 昌彦
日本ジャーレル・アッシュ
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