二酸化鉛懸濁液を用いる酸化前処理を伴う電位差滴定法によるクロム(III)溶液の標定法の検討

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概要

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四酢酸鉛標準溶液を加水分解して得られる二酸化鉛懸濁液を用いる酸化前処理によってクロム(III)溶液の標定法を検討した.アルカリ性溶液中で二酸化鉛懸濁液とクロム(III)とを反応させた後,塩酸酸性にして過剰の二酸化鉛を還元し,生成したクロム(VI)を鉄(II)標準溶液で電位差滴定する操作法を行った.その結果,本法により(0.5〜2)×10^<-2>M,クロム量にして(4〜16)mg,の濃度範囲のクロム(III)を相対誤差±0.3%以内,標準偏差パーセント0.2%以内で定量できた.本滴定法は,過剰の二酸化鉛を塩酸酸性にすることによって速やかに還元除去でき,従来法に比べ操作が簡便でクロム(III)溶液の標定法としてより有用であると思われる.
社団法人日本分析化学会の論文
1980-02-05

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