機器放射化分析法による単体硫黄中のセレンとテルルの定量
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概要
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火口や火山噴気孔周辺に析出している単体硫黄中のセレン,テルルを機器放射化分析法を利用して非破壊で正確,迅速に定量する方法について検討を行った.セレン,テルルの同時定量には^<79m>Se,^<131>Teの核種に着目し,又セレンのみの高感度定量には^<77m>Seに着目した.比較標準試料としてろ紙に標準溶液を添加する方法並びに高純度硫黄粉末をマトリックスとして加える方法とについて比較を行ったが,^<32>Pの影響もほとんどなく,両方法間に差がないことが明らかとなった.セレンに関して^<77m>Seの比放射能(cps/μg)は^<79m>Seに比べて約50倍高いので,^<79m>Seに着目した場合に検出限界以下の試料でも^<77m>Seに着目すると検出され定量された.このときの検出限界は数十ngであった.セレンとテルルを加えて調製した単体硫黄を用いた繰り返し実験及び比較標準試料を用いた実験により,約10%以内の精度で分析が行われることが分かった.なお,分析に要する時間はセレン,テルルの同時定量では約10分以内,セレンのみの定量では約2分以内であった.
- 社団法人日本分析化学会の論文
- 1979-12-05
著者
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平井 昭司
武蔵工業大学工学部
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平井 昭司
武蔵工業大学原子力研究所
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小沢 竹二郎
埼玉大学工学部環境化学工学科
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平井 昭司
武蔵工業大学
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小沢 竹二郎
埼玉大学工学部
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蟻川 芳子
日本女子大学家政学部化学教室
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蟻川 芳子
日本女子大学
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蟻川 芳子
日本女子大学家政学部家政理学科化学系
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