フルオレセイン系染料と第四級アンモニウムイオンの変色反応を利用するイオン性界面活性剤の吸光光度定量
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概要
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フルオレセイン系染料(ローズベンガル:RB, フロキシンB:PhB)を用いて, 水溶液反応を利用する吸光光度法により, イオン性界面活性剤を定量する方法について検討した. 長鎖アルキル基を持つ第四級アンモニウム塩の陽イオン界面活性剤{CS^+:C_nH_<2n+1>N^+(CH_3)_3, n=12〜18; C_nH_<2n+1>(CH_3)_2N^+CH_2C_6H_5, n=14, 16}はpH3付近でRB又はPhBと反応し, それぞれ568又は558nmでの吸光度を増大させる. 又, CS^+は陰イオン界面活性剤であるラウリル硫酸ナトリウム(LS^-)と安定なイオン会合体を形成する. 従って一定量のCS^+の存在下ではLS^-量の増加に伴い, RBでは568, PhBでは558nmでの吸光度は低下する. RBを用いる場合, CS^+とLS^-の定量濃度範囲はそれぞれ0〜1×10^<-5>, 2×10^<-6>〜1×10^<-5>Mであった. CS^+の定量において, RBとCS^+のイオン会合体を非イオン界面活性剤を用い水に可溶化させた. PhBを用いる場合, CS^+とLS^-の定量濃度範囲はそれぞれ0〜1×10^<-5>(但し, 一部のCS^+を除く), 0〜8×10^<-6>Mであった. 見掛けのモル吸光係数(ε/10^4 dm^3 mol^<-1>cm^<-1>)はCS^+:1.10〜4.66(RB), 1.12〜2.87(PhB); LS^-:4.84(RB), 2.43(PhB)であった. 本法は10^<-6>Mオーダーのイオン性界面活性剤の簡便・迅速な定量法である. 市販の洗剤に含まれる陰イオン界面活性剤を本法とJIS法(Epton法)により定量した結果, 両者の値はほぼ一致した.
- 1999-01-05
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