電気化学検出フローインジェクション分析法によるリドカインの定量

概要

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日本薬局方医薬品のリドカインの定量のために,新しい測定法として電気化学検出フローインジェクション分析法(FIA-ECD)を構築した.測定の基本は,α-トコフェロールを含む非緩衝溶液中に微量のリドカインが共存するとき,ボルタモグラム上にα-トコフェロールの酸化前置波が現れ,その波高はリドカインの濃度に比例することである.FIA-ECDを用いて得た電流シグナルは,リドカイン量11.7〜585 ngの間でよい直線関係(r=0.998)を示し,検出限界は11.7ng(S/N=3),連続測定の相対標準偏差(RSD)は1.9%(117 ng・リドカイン,n=10)であった.日本薬局方定量法の非水滴定法と本法によって得られた日本薬局方リドカインの定量結果は,それぞれ100.7%, 101.0%とよく一致した.本法は,滴定法に比べて1回の測定に必要な試料量が1/100であり,1/20の測定時間の短縮を可能とし,非水滴定に使用する溶媒の氷酢酸が不要であり,廃液処理の観点でも優れたリドカインの定量法である.
社団法人日本分析化学会の論文
2003-12-05