陽極酸化処理したグラッシーカーボン電極によるクロルプロマジンの微量定量

概要

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電気分析法によるクロルプロマジン(CPZ)の定量感度向上のために,グラッシーカーボン(GC)電極の陽極酸化処理を試み,定量に最適な処理条件を検討した.GCの処理は表面をアルミナで研磨した後,0.5 mol dm^<-3>リン酸緩衝液(pH 6.7)中で1.6 υs. SGE,2分間の定電位電解を行うのが最適であった.この処理電極を用い,サイクリックポルタンメトリーによりCPZの定量を行ったところ,(2×10^<-7>〜4×10^<-5>)mol dm^<-3>の範囲でCPZ濃度と得られた酸化電流値との間に直線関係が成り立ち,定量眼界は1×10^<-7>mol dm^<-3>,CPZ濃度1.0×10^<-6>mol dm^<-3>における相対標準偏差は3.5%以内であった.このGCの陽極酸化処理により,研磨のみのGC電極に比べCPZの定量感度は約30倍向上し,生体試料分析などへの応用が期待される.陽極酸化処理に伴う電極表面の変化とCPZの酸化電流値増大との関係についても考察した.
社団法人日本分析化学会の論文
1984-04-05