多重待ち二相施錠方式の冗長計算システムへの適用
スポンサーリンク
概要
- 論文の詳細を見る
多重計算機上で冗長計算を用いることによりシステムの可用性を向上できる。これに対して我々は、システムの処理効率を向上させさらに柔軟性を持たせるために、一般に完全に同期して実行されている計算とその結果の検査をできる限り非同期に実行する方法を提案した。並行処理するトランザクションの数を多くすることによりプロセッサやディスクの使用効率が向上するが、トランザクションの競合も増加し後退復帰の確率も高くなるため、処理の実効効率が最大になる最適並行度が存在する。同一トランザクション内の処理でも独立な処理を並行して処理することを許す並列トランザクションを用いることにより、少ないトランザクション数で一般のトランザクションを用いた場合の最適並行度に達することができるため、後退復帰を減少させシステム効率を上げることが可能である。しかしながら、並列トランザクションを従来の並行処理制御方式で制御すると、1つのトランザクションが複数のトランザクションと競合を起こすため、思ったほど効率が上がらない。並列トランザクションを用いた場合の競合の増加を防ぐ方法として、多重待ち二相施錠方式と呼ぶ新しい方式を提案した。文献[2]で示した冗長計算システムでは、どれか1つのプロセッサモジュールで競合を起こすと後退復帰が起こるため、多重待ち二相施錠方式は有効である。本稿においては、冗長計算システムに多重待ち二相施錠方式を用いる場合の問題点およびその解決法について議論する。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1988-09-12
著者
関連論文
- 0SIディレクトリサービスにおける簡易言語の実装
- 実時間データベースに適した二相施錠方式
- 処理単位の終了時間を考えた施錠待ちグラフ上の操作
- 多重待ち二相施錠方式の冗長計算システムへの適用
- トランザクションマシンにおけるハードウェアによる並行処理
- 計算と検査を並行して行う高可用性システムにおけるスケジュール
- SQL質問に対応する自然言語表現の生成
- 第6回アドバンストデータベースシンポジウム
- 出力生成の最適化を行う非正規出力インタフェースの実現法
- 大容量主記憶を仮定した二相ロック方式のシミュレーションによる評価
- 時刻印方式における部分後退復帰