係り受け構造を持つ表現に対する類似度判定手法の提案

概要

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自然言語処理では, 二つの表現間の類似性を判定する処理が様々な場面での基礎的な指標として利用される。特に情報検索においては類似性判定が中心的な役割を果たすが, 昨今の爆発的に増加している電子化テキストの検索に対する不満は, 検索エンジンがドキュメント内の表現間に適切な類似性を判定できないことに起因する。この点に対しては最近, XMLの枠組と併せてオントロジを利用する検索手法が実用化に近付いており, 検索文をオントロジのスキーマに合わせた形に解析することで, 一種, 関係データベース的な検索が可能となる。しかし, これも基底の単語自体に対する類似度は定義されないため, 柔軟性という点では十分とは言えない。本稿では, 情報検索の場面における検索文として最も望まれる, 簡単な係り受け構造を持つ表現に対する類似度判定手法を提案する。この手法は, 従来なら予め構成しておかねばならない知識ベースに対応する情報を, 検索対象となるテキストを含むコーパスから統計的に求めることで, 知識ベースの構成や保守に要する手間を無くすと共に, 対象テキストを格解析した情報を利用することで, 単なる統計情報による情報検索よりも的確な処理が行なえると期待できる。
一般社団法人情報処理学会の論文
1997-09-24

係り受け構造を持つ表現に対する類似度判定手法の提案

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