SQUAD : SWQC事例検索システム
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概要
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本論文では、SQUAD Software Quality Control Advisor Systemの開発思想とその第一フェーズ・システムについて述べる。SQUADシステムが、対象とする領域は、SWQC(Software Quality Control)でありソフトウエア品質向上・生産性向上に関するドメインである。SQUADシステムは、事例ベース推論(Case-Based Reasoning)を基本的パラダイムとして採用した。なぜなら、ソフトウエアの品質管理・生産性向上に関するドメイン・モデルの定義が因難であり、従来のエキスパート・システムでは、対応できないが、SWQC活動によって大量の事例が獲得できる可能性があるからである。また、SWQCによって蓄積された事例は、経験の蓄積であり、それを全社的規模で共有するメカニズムが必要であるという認識がある。従来、事例ベース推論システムは、ルール・ベースのエキスパート・システムと同列に論じられてきた。つまり、どちらも問題解決の為の推論機構という側面が強調されてきた。我々は、事例ベース推論を、経験共有のためのメデイア実現の一つのメカニズム、そして、統計情報獲得のベース・メカニズムとしてとらえる。つまり、SQUADの開発思想は、「事例ベース・システムを戦略情報システムの中核に置く」というものである。この思想を、実現させるためには、全社的な知識獲得プロセスを確立し、事例ベース・システムが常に有用な情報を持ち、柔軟なアクセスが可能である状態にする必要がある。我々は、これを、組織的アルゴリズムとシステム・デザインの統合をもってして達成しようと試みる。もちろん、これは大きな課題であり、現段階では完全に達成されてはいない。しかしながら、実用的な、大規模事例ベース・システムの構築には不可欠のプロセスである。本論文では、この様な開発思想をもったシステムの例としてSQUADシステムの現状と、組織的アルゴリズムである知識工学化されたSWQCについて述べる。
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1992-02-24
著者
-
柴田 晃宏
日本電気(株)情報メディア研究所
-
北野 宏明
日本電気(株)ソフトウェア生産技術開発研究所
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柴田 晃宏
Nec C&cメディア研究所
-
佐藤 亜津美
日本電気(株) ソフトウェア企画室
-
梶原 壽一郎
日本電気(株)
-
梶原 寿一郎
日本電気
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北野 宏明
日本電気(株)
-
佐藤 亜津美
日本電気(株)
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