TENSEのオブジェクト管理システムの概要
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概要
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TENSEのオブジェクト管理システムは,我々が開発中のソフトウェアの統合開発支援環境の中枢である.このシステムねらいは,情報の観点から環境を統合して,知的活動に紛れ込んだ機械的作業を自動化することである.この種の機械的作業は,従来のウォータフォール型の開発方式で,知的活動を阻害する大きな要因となっている.具体的な例は2節で述べる.環境の統合には二つの側面がある.第一はユーザインタフェースの統一で,その結果,環境は親しみやすく,操作性も高くなって,作業効率の向上を期待できる.この分野では,UIMSなどの研究が進行中である.第二は情報の観点からの統合で,その結果;,情報の整合管理が進んで,ソフトウェア製品の信頼性の向上を期待できる.更に,保守性,再利用性,管理可能性なども高めることができる.この分野では,ソフトウェアデータベースや,オブジェクト管理の研究が進行中である.その両方の側面を備えた代表的な研究にArcadiaプロジェクトがある.Arcadiaは,基盤として更に,process program interpreterを加え,緊密に結び付きながら,柔軟で拡張性の高い,大規模な環境をゴールとする.また,国内のオブジェクト管理システムの研究では,KyotoDBなどがある.一方,TENSEはオブジェクト管理システムに着目すれば目指すところは同様だが,次の特徴を持つ.・内部表現として,ソフトウェアオブジェクトを再構成した"ソフトウェア構成要素"を導入.・管理機構として,フレームの拡張表現システムを導入.・以上のオブジェクト管理システムのカスタマイズ機構として,生成系方式を採用.以下,本論文では,オブジェクト管理から期待できる効果と,TENSEにおける特徴について述べるが,カスタマイズについては参考文献を参照されたい.
- 一般社団法人情報処理学会の論文
- 1991-02-25
著者
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渡邊 多恵子
横河電気(株)オープンシステム研究所
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渡邊 多恵子
横河電機株式会社オープンシステム研究所
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西岡 健自
横河電機
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西岡 健自
横河電機株式会社
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西岡 健自
横河電気(株)オープンシステム研究所
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