手話表現のための空間表現および時間制御の検討

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手話画像の合成技術は、手話の自動翻訳等、社会福祉への応用が期待される分野であるが、特に手話は、上腕手指の形及び動作によって意味を伝達するため、高速な画像生成が必要である。しかし、使用される環境を考慮すると、小規模なシステムで画像を生成できることが望ましい。また、手話画像の生成技術を用い、「知的画像伝送」を用いることで、電話回線等の小容量の回線による手話画像通信が可能となる。手話画像通信で必要な条件としては、相手が誰か判別できること、奥行き(手の前後関係)が認識できること、動作を読み取るために動画表示が高速であること、等があるが、相手が誰か判別できるほどに画質を向上させると、計算コストが大きくなり、高速表示が困難になる。従来の手話画像生成システムは、ワイヤーフレームモデル及びサーフェイスモデルを用いる方法が主流であるが、ワイヤーフレームモデルでは奥行き感が十分に表現できず、人物の表現としても、貧弱である。一方、サーフェイスモデルを用いた手法では、精密な人物像を作成することができるが、レンダリングに時間がかかり、また、モデルの作成も困難であるなどの問題点があった。テレビなどで手話通訳が同時に行なわれるような場合、手話画像全体のドット数は、それほど多いものではないにもかかわらず、手話伝達の手段として、必要十分な情報を送っている。したがって、手話画像伝送において、特に上半身の動きが重要であり、画質においては、それほどの精度は要求されないものと考えられる。そこで、この手話の特徴を考慮して、高速な手話画像生成システムを構築した。また、処理を階層化し、時間的な制御を組み込めるようにすることで、よりわかりやすい手話表現を可能にした。
一般社団法人情報処理学会の論文
1994-09-20

手話表現のための空間表現および時間制御の検討

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