ATMネットワーク上の動画像通信におけるTCP/IPの評価およびその課題

概要

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近年のATM交換技術および光通信技術の発展により、伝送速度155Mbps以上の超高速ネットワークが比較的安価で手に入れられるようになりつつある。このような高速ネットワークにTCP/IPのような従来のトランスポート・プロトコルを用いると、伝送速度に対して相対的にトランスポート・プロトコルの処理速度が下がるため、高速ネットワークの性能を十分に生かし切れない可能性があることが指摘されている。また、次世代の高速ネットワークではマルチメディア・トラヒックの急増が予想されているが、TCP/IPはもともと比較的低速のデータ通信に適したトランスポート・プロトコルとして設計されたため、マルチメディア・トラヒックに対してどれだけ対応できるかについては不明な点が多い。以上の背景から、本稿ではATMネットワークに代表される超高速ネットワーク上で動画像通信を行う場合の性能をシミュレーションによって評価すると共に、そのボトルネックの所在を明らかにし、次世代のトランスポート・プロトコルの設計指針について述べる。
社団法人情報処理学会の論文
1995-09-20